子供の病気119番 〜 小児科疾患マニュアル

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子供の病気119番 〜 小児科疾患マニュアル
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医学博士
菊 田 英 明
離婚・相続の菊田法務事務所

特定医療法人 東栄病院
副院長 小児科医長

北海道大学 客員教授

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特定医療法人 とこはる 東栄病院
副院長 小児科医長 菊田 英明
北海道大学 客員教授

風疹 (3日ばしか)


<潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間)>

14〜21日


<症状>

発疹が、顔から全身へと広がり、軽い咳、発熱を伴うことが多く、頚部および耳後のリンパ節が腫脹するのが特徴です。


<合併症>

脳炎、血小板減少、関節痛(大人)など


<注意点>

1.     意識がはっきりしなくなり、痙攣などがおきた時には、脳炎などを疑わなければなりません。

2.     手足に紫斑が出た時は、血小板減少が疑われます。

3.     女の子の場合、風疹の診断がはっきりしない場合は、抗体検査ではっきりさせておきましょう。

4.     お母さんが、風疹にかかっていなかったり、ワクチンを接種していなかったり、ワチチンを接種後長く経過している場合は、お母さんにも感染する可能性があります。お母さんが妊娠中の時(特に妊娠早期)は、胎児への影響(先天性風疹症候群)を考えなければなりませんので、医師にご相談ください。

5.     不顕性感染(感染しても症状を出さない人)は25%位います。


<登園、学校へは>

発疹が消えたら、行かせても良いでしょう。



流行性耳下腺炎 (おたふく、ムンプス)


<潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間)>

14〜21日


<症状>

両側又は片側の耳下腺が腫脹し、ものを噛むときに顎に痛みを訴えることが多いです。このとき数日の発熱を伴うことが多いです。耳下腺腫脹は痛みを伴い、境界不鮮明な柔らかい腫脹が耳の下を中心として起こります。他の耳下腺の腫脹を同時または数日遅れてみることもあります。唾液腺炎は耳下腺両側が多いが、片側耳下腺は25%、顎下腺は10〜15%あります。


<合併症>

髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴などがあり、その他成人男性には睾丸炎、成人女性には卵巣炎がみられることがある。

髄膜炎:耳下腺炎出現の前、最中、後のどの時期でも発症します。(発症3週まで)発熱、頭痛、嘔吐項部硬直などみられます。自然感染の3%に髄膜炎の臨床症状が起きます。

難聴:多くは一側性で、難治性です。


<注意点>

1.     強い頭痛、嘔吐、発熱がある時は、髄膜炎も疑われます。

2.     嘔吐、腹痛、発熱がある時は、膵炎も疑われます。

3.     流行性耳下腺炎を、何度も繰り返している場合には、反復性耳下腺炎も考えられますので、医師にご相談ください。

4.     耳下腺とリンパ節の腫脹の区別のため、尿や血液のアミラーゼを検査することがあります。


<登園、学校へは>

耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好であれば、行かせて良いでしょう。



突発性発疹


<症状>

生後6ヶ月位から1歳半に多く、突然に高い熱が3〜5日続いた後に、熱が下がり、その頃から全身に発疹が出現します。発疹は3日ほどで、痕を残さないで消えていきます。


<注意点>

1.     「生まれて始めて熱を出した」という様な時に、この病気であることが多くあります。

2.     熱だけで、他の症状がなく、診察しても異常は見つからず、高い熱の割には元気(食欲もあり、機嫌も良い)であることが多い病気です。

3.     発熱初期に熱性けいれんを起こしたり、まれに脳炎・肝炎を合併することが知られていますが、ほとんどないと考えていてもよいです。

4.     多少、便が軟らかくなることがあります。

5.     熱が下がり発疹が出て、この病気であることが、はっきりするまでは、他の病気も考えなければならず、安心できません。

6.     発疹が出た後も熱が続いたり、ひきつけたり、ぐったりしているなど変化があったときは早めに受診しましょう。

7.     稀に、2度この病気にかかることがあります。

8.     他の子供に接触しても、うつす心配はありません。

9.     入浴は、熱が下がり、発疹も薄くなってきたら良いでしょう。




ヘルパンギーナ


<潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間)>

2〜4日


<症状>

乳幼児に多く、初夏から秋にかけて多いので「夏かぜ」といわれている。突然の38〜40度の発熱が1〜4日間続く。咳などの症状は少ない。

口蓋から口蓋帆にかけて1〜5mmの小水疱、小潰瘍、その周辺に発赤が認められる。のどが痛いため、しみる物はとれなくなる。よだれも多くなる。

全経過は7〜10日以内で完治する。


★ 何種類ものウイルスで起きる病気のため、何度もかかる可能性がある。


<注意点>

特別な薬はなく、脱水にならない限り、入院にはならないので、水分を十分与えましょう。

食事は、水分を十分与え、のどに刺激を与えるすっぱいもの・からいもの・冷たいものはさけ、人肌程度の暖かさの、のどごしの良いうどんやおかゆ、スポーツ飲料などを中心にすると良いでしょう。高熱が続くとき・口の痛みが強くて水分があまり取れないとき・元気がなくぐったりしているときは、もう一度診察を受けましょう。


<登園、学校へは>

主要症状が消失したら良いでしょう。



手足口病


<潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間)>

5〜6日


<症状>

主として乳幼児にみられる手、足、下肢、口腔内、口唇に小水疱が生ずる。

典型的なものでは、軽い発熱、食欲不振、のどの痛みなどで始まり、手(指間部、手掌、手背)、足(趾間部、足背、足底)に小水疱が出現する。口の中を注意して見ると、舌や口腔粘膜に浅いアフタがある。皮疹は1週間から10日で自然消退する。


★ 何種類ものウイルスで起きる病気のため、何度もかかる可能性がある。

<注意点>

口の中が痛い時は、しみないものをあげてください。熱いものや味のきついもの(特に酸味・塩味の強いもの)はさけてください。患者も周囲の人も、十分な手洗いを心がけましょう。治った後も2〜4週間程度、ウイルスが便に出ていることがあります。特に、おしめを替えた後や鼻をかんだ後などには、よく手を洗いましょう。


<合併症>

ごくまれにエンテロウイルス71型による肺水腫を伴った重症脳幹脳炎が生じることがあるので、持続する発熱や嘔吐、頭痛などある場合は受診しましょう。


<登園、学校へは>

元気で一般状態が良ければ、幼稚園・学校に行ってもかまいませんが、口の中を痛がる間は、お家で見てあげてください。



咽頭結膜熱 (プール熱)


<潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間)>

5〜7日


<症状>

発熱(4〜7日)、咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)、結膜炎が3主症状です。アデノウイルス3型が主であるが、他に4、7、11型なども本症を起こす。発生は年間を通じてみられるが、さまざまの規模の流行発生をみる。とくに夏季、プールを介して流行的発生をみるので、「プール熱」の病名がある。


<注意点>

1.     高熱の割には、熱が下がると元気になります。

2.     ただし、熱が長期間続くので、脱水には注意が必要です。

3.     伝染力が強いので、患者とタオルを共用しないようにしましょう。

4.     迅速診断キットがあり、検査すると、この病気であることがわかります。

5.     流行時期は、プ−ルの後、流水で手よく洗いましょう。手を洗ってからうがいをすることも、予防になります。プ−ルでは、できるだけ目をこすらないようにしましょう。

<登園、学校へは>

症状が消失し、2日を経過してから行かせましょう。



伝染性紅斑 (リンゴ病)


<潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間)>

17〜25日


<症状>

乳幼児から小児に多いが、乳児、成人がかかることもある。

顔面、特に頬部に境界鮮明な紅斑が突然出現し、鼻背で融合して蝶型の紅斑になる(りんご病)。続いて四肢に対側性に小紅斑が出現し、環状又は融合して地図状、網目状(レース状紅疹)になる。無熱、微熱が多い。大人では関節痛を伴うことがある。

予後は通常、良好で、全経過は、通常3週間以内に治癒する。


<注意点>

1.     溶血性貧血患者が、この病気にかかった時、急激に貧血なる可能性がある。

2.     妊婦さんが、この病気にかかった時、胎児に影響(胎児水腫)を及ぼすことがある。

3.     お風呂の長湯、運動による体温上昇、日光に長くあたると、赤みが強くなることがあります。


<登園、学校へは>

一般状態が良ければ行かせても良いでしょう。



副鼻腔炎(蓄膿を含む)


<副鼻腔とは?>

顔の骨の中にあり鼻の中につながっている空洞で、上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞があります。この空洞に炎症があれば、副鼻腔炎といいます。小児で副鼻腔炎と言えば、約90%は上顎洞の炎症です。


<乳幼児の副鼻腔炎の特徴>

乳幼児では上顎洞と鼻は、大人と異なり、太く交通しています。そのため、乳幼児ではウイルスによる鼻炎、鼻かぜでも、副鼻腔の炎症を一緒に起こすものです。これが、急性の副鼻腔炎です。すなわち、乳幼児は太い交通のため副鼻腔炎になりやすいが、逆に治りやすいのが特徴です。


<副鼻腔炎の症状>

黄色〜黄緑色の粘っこい鼻汁がたくさん出る

鼻をぐずぐずさせている

口をあけていることが多い(鼻閉)

鼻汁がのどに落ち、いつも痰が絡んだようになっている(後鼻漏)

年長児の場合は、頭痛、頬部が痛むこともあります


<副鼻腔炎の原因>

副鼻腔炎の原因には、ウイルスと細菌があり、細菌が原因の副鼻腔炎が問題であり、抗生物質による治療が必要になります。その細菌には、肺炎球菌、インフルエンザ菌などがあり、抗生物質に対し耐性を示す菌が増加し問題となっています。また、ウイルスが原因の副鼻腔炎に、抗生物質は全く効きません。


<期間による分類>


急性副鼻腔炎:症状が30日以内のもの。これを最近の耳鼻科領域では蓄膿という傾向が多い

慢性副鼻腔炎:症状が90日以上持続するもの。これが、いわゆる成人でいう蓄膿です。


★最近、耳鼻科領域では、細菌が原因でない急性の副鼻腔炎も全て蓄膿という傾向があり、

親がびっくりされることが多いようですが、この蓄膿は成人でいう蓄膿とは全く異なります。

★真の蓄膿とは、細菌が原因でおきる90日以上持続する慢性の副鼻腔炎です。


<ウイルスが原因の鼻炎、鼻かぜと、細菌が原因の副鼻腔炎との区別は難しい>

子供は年に6〜8回、ウイルスによる鼻炎、鼻かぜをひき、その大部分は副鼻腔炎を一緒に起こします。その25%の児は2週間以上、副鼻腔炎の症状が続きます。


ウイルスによる鼻炎、鼻かぜでも、数日間は鼻水ですが、次第に黄色〜黄緑色の粘っこい鼻汁となります。粘調の黄色い鼻水は細菌感染を示すものではなく、鼻の粘膜上皮や白血球の死骸ですので、粘調の黄色い鼻水があるからといって、細菌が原因によるとは言えません。この場合、抗生物質を使用しなくとも自然に治癒します。


10日以上、副鼻腔炎の症状が続く時、細菌が原因の副鼻腔炎を疑う一つの指標とされていますが、約60%は細菌が原因による副鼻腔炎で、約40%はウイルスによるものです。10日以上症状が続くからといって、細菌が原因による副鼻腔炎ということで抗生物質を投与するものではありません。

乳幼児の場合、慢性の副鼻腔炎より、何度も急性の副鼻腔炎を繰り返して児が多いと言えます。



http://www.touei.or.jp/kaze_fukubikuen_chikunou.pdf



インフルエンザで知っておきたいこと


<インフルエンザ脳炎・脳症>

1年に100〜300人の子供がインフルエンザ脳炎・脳症にかかります(季節性は1歳〜3歳、4歳〜10歳に多い)。発熱から、数時間〜2日と神経症状が出るまでの期間は短く、主にけいれん・意味不明な言動・急速に進行する意識障害が症状の中心です。死亡率は約7%であり、後遺症は約25%にみられる、恐ろしい病気です。


<インフルエンザ脳炎・脳症の症状>

よく見られる症状は、けいれん、意識障害、異常行動などです。発熱に続いて、けいれん、意識障害、異常行動が起きたときは脳症の始まりの可能性があります。

★ 脳炎・脳症による「けいれん」は「熱性けいれん」と見分けにくく、けいれんの時間が5分以上で、けいれんの後に意識が戻らない場合は要注意です。寝ているのか、意識が無いのか解らない時は、つねるなど刺激を与え、意識があるかを確認しても良いです。

★ 脳炎・脳症でなくとも高熱のために異常行動を起こすことも子供がいます。この状態を「熱せんもう」といいますが、異常行動が長く続くときやけいれんを伴うときは要注意です。


<前駆症状>

幻視、幻覚、恐怖感の訴え、怒り、おびえ、感情失禁などがみられた時は要注意です。インフルエンザ脳症・脳症は急激に発症し、残念ながら医師も発症を予測することが困難な場合が多くあります。子供が熱を出し、いつもと違うと感じる前駆症状が見られたら、すぐに病院を受診することが大切です。


<解熱剤の注意>

ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)を投与することによって、インフルエンザ脳炎・脳症が起きるわけではありませんが、脳炎・脳症の重症化に関与している可能性があり、予後が悪化するおそれがあるといわれています。インフルエンザにおいて解熱剤を使用する時は、アセトアミノフェン(商品名アセトアミノフェン、カロナール、アンヒバ、アルピニー)、イブプロフェン(商品名ブルフェン、ユニプロン)が望ましいとされています。


<ワクチンの効果>

予防接種でインフルエンザ脳炎・脳症を防ぐことができるか、まだ結論がでていません。しかし、インフルエンザにかかってしまったら、脳炎・脳症を起こすのを食い止める方法はありません。したがって、現在、インフルエンザにかからないようにワクチンを受けることが唯一の予防法です。但し、1歳以下の乳児へのワクチンの有効性を認めないという日本小児科学会の報告から、今シーズンは1歳以下の乳児へのインフルエンザワクチンの接種を東栄病院においては見合わせました。

ワクチンの有効率は6歳以下では20-30%、成人では70-80%しかありません。

<検査>

迅速診断キットにより数10分で結果がでます。但し、発熱後、直ぐ検査(12時間以内)を行ってもインフルエンザのウイルスの量が少ないため陰性にでることがあります。


<抗ウイルス剤の効果>

発症48時間以内に、抗ウイルス剤を投与しないと効果はありません。インフルエンザにかかってしまったら、抗ウイルス剤でインフルエンザ脳炎・脳症の発症を防げるか結論が出ていませんが、防ぐことはできない可能性が高いと考えられます。インフルエンザに罹患した全ての人が抗ウイルス剤を服用しなければならないものではありません。一般的に2次感染を疑う時以外は、抗生物質は使用しません。


<1歳以下の乳児へのタミフル使用に関して>

インフルエンザの薬であるタミフルはメーカーが行った動物実験で、幼弱なラットに対して通常量の500倍を投与したときに死亡率が高かったという結果から、生後1歳までは使用しないようにとの情報がメーカーから出されました。この点については、厚生労働省は、メーカーからの情報をもって、乳児へ禁忌だとする根拠にはならないと述べています。また、2004年の日本小児科学会の中間報告ではありますが、タミフルを乳児に通常量使用することは、とくに問題はないと報告されました。以上から、東栄病院においても、ご両親とご相談の上、使用の場合は慎重に使用していきたいと考えております。


<インフルエンザの登園、登校に関して>

登校は、発症した後5日、かつ解熱した後2日を経過してから登校させてください。
乳幼児は、発症した後5日、かつ解熱した後3日を経過してから登園させてください。

*発熱日からの期間:発熱日は0日目、次の日を1日目と数える
*解熱日からの期間:解熱日は0日目、次の日を1日目と数える


<2009-2010年インフルエンザシーズンに向けて>

人に感染するインフルエンザには4種類あります。 1) Aソ連型(H1N1) 2) A香港型(H3N2) 3) B型インフルエンザ 4) 新型である豚インフルエンザ(A型H1N1)。 現在、流行しているインフルエンザの大部分は新型である豚インフルエンザと考えられます。

I. 豚インフルエンザとは?
 @ アメリカの豚インフルエンザとヨーロッパの豚インフルエンザが混ざり合った豚インフルエンザが人に感染し 流行しているものです。
 A 重症度、致死率などは季節性インフルエンザとほとんど変わりありません。
 B ほとんどの人は免疫がないため、大流行し、1年間で12-24%の人が感染し、数年以内にほぼ全ての人が感染 すると予想されています。
 *病原性が低いうちは、基本的に季節性インフルエンザへの同様の対応で良いと考えられます。

II. 迅速診断について
 @ この検査で、A型、B型の区別はできますが、A型のソ連型、香港型、豚インフルエンザの区別はできません。 区別するには遺伝子検査が必要ですが、現在、集団感染が疑われる場合のみ遺伝子検査を行うことになっています。
 A 発熱後、すぐ検査(12時間以内)を行ってもインフルエンザのウイルスの量が少ないため陰性にでること がありますので、一般状態が良ければ、発熱後12時間を過ぎてからの検査をお勧めします。
 B 豚インフルエンザに対する感度は高くありません。 40〜69%(米国)、54〜77%(日本)
 C 症状のない人に対して迅速診断を行った場合には、結果が陽性であってもその意義は不明で、また結果が陰性 であっても今後発症のないことを保証するものではなく、臨床上の有用性はほとんどありません。
 *迅速検査は、陽性でも陰性でも絶対的なものではありません。

III. 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)について
 @ 発症48時間以内に開始することが必要です。
 A 抗インフルエンザ薬を使用すると2日以内(平均1.5日)に熱が下がることが多いですが、使用しない 人と比べて1日位しか症状が短くなりません。
 B WHOは、5歳以上で基礎疾患がなく症状が重くないなら抗インフルエンザ薬は必要ないと報告しています。
 C タミフルで脳炎/脳症は防げられないと考えられています。
 D 1歳以下の乳児にタミフルを通常量使用することは、とくに問題ありません。
 E 10代へのタミフルの投与はできません。(リレンザは使用できます)
 F 抗インフルエンザ薬を使用していても、母乳を与えて問題ありません。(リレンザを使用する方がよい)
 G予防投与は、原則的に基礎疾患を持っている人以外は行いません。
 *全ての小児が抗インフルエンザ薬を使用しなければならないものではありません。
                             (東栄病院 小児科 菊田英明  平成21年9月4日)

 新型インフルエンザ感染症で分かったこと(基礎から臨床まで)
 −北海道小児呼吸器感染症フォーラム(2010, 2, 13)より
 http://www.touei.or.jp/ri_forum.pdf


<2010-2011年インフルエンザシーズンに向けて>

今シーズンは、A型のH3N2香港、新型H1N1、B型のいずれも流行する可能性があります。(A型のソ連H1N1は消失) インフルエンザが疑われたら、検査、治療より、子どもを注意深く観察することがまず重要です。

I. 昨シーズン大流行した、新型のA型H1N1(2009)の特徴は
 @ 感染性、重症度、致死率は従来の季節性インフルエンザよりむしろ軽症でした。多くの子どもがかかりましたが、大多数は軽症で、致死率は非常に低い結果でした。
 A 新型で注意しなければならない点は、発熱後24時間以内に肺炎となり呼吸困難になることです。特に、今までゼイゼイして治療を受けたことのある子ども、以前に喘息の診断を受けていたことのある子どもは呼吸困難に注意が必要です。発熱後24時間は特に呼吸状態に注意してください。(抗インフルエンザ薬を使用していても肺炎は発症しますので、安心しないでください)

II. 迅速診断について
 @ この検査で、A型、B型の区別はできますが、A型の新型2009、H3N2香港型を区別できません。区別するには 遺伝子検査が必要ですが、集団感染が疑われる場合のみ遺伝子検査を行うことになっています。
 A 発熱後、すぐ検査(12時間以内)を行ってもインフルエンザのウイルスの量が少ないため陰性にでること がありますので、一般状態が良ければ、発熱後12時間を過ぎてからの検査をお勧めします。 (陽性率は発症6時間で50%、12時間で70%、24時間でも90%です)
 B 症状のない人に対して迅速診断を行った場合には、結果が陽性であってもその意義は不明で、また結果 が陰性であっても今後発症のないことを保証するものではなく、臨床上の有用性はほとんどありません。
 *迅速検査は、陽性でも陰性でも絶対的なものではありません。

III. 抗インフルエンザ薬(経口式:タミフル;吸入式:リレンザ、イナビル)について
 @ 発症48時間以内に開始することが必要です。
 A 抗インフルエンザ薬を使用すると2日以内(平均1.5日)に熱が下がることが多いですが、使用しない 人と比べて1日位しか症状が短くなりません。
 B 日本小児科学会は5歳以下の子どもには、抗インフルエンザ薬の使用を勧めています。WHOは、 5歳以上で基礎疾患がなく症状が重くない場合は、抗インフルエンザ薬は必要ないと報告しています。
 C タミフルで脳炎/脳症は防げられないと考えられています。(肺炎は不明です)
 D 1歳以下の乳児にタミフルを通常量使用することは、とくに問題ありません。
 E 10代へのタミフルの投与は原則行っていません。(リレンザ、イナビルは使用できます)
 F 抗インフルエンザ薬を使用していても、母乳を与えて問題ありません。(リレンザ、イナビルを使用する方がよい)
 G予防投与は、原則的に基礎疾患を持っている人以外は行いません。
 *全ての小児が抗インフルエンザ薬を使用しなければならないものではありません。
                          (東栄病院 小児科 菊田英明  平成22年11月4日)


喘息様気管支炎


<喘息様気管支炎とは>

1.       主として1〜2歳の乳幼児に起こる喘息の様な症状を示す気管支炎の一種です。普通の気管支炎と異なり、呼吸困難を起こすことがあること、風邪をひくと治りにくく、繰り返しやすいことが特徴です。3歳くらいで大多数は治癒しますが、10%くらいは気管支喘息に移行します。

2.       風邪の原因のウイルス (RSウイルス、ヒト・メタニューモウイルスなど) や細菌の感染が原因で起こります。気管支喘息と異なりアレルギーの関与は少ないと考えられます。

3.       乳幼児期は気管支が細いため、粘膜がむくみ、分泌物が溜まるので気管支が狭くなります。そのために息を吐くときにその細い部分を通って空気を送り出すことによって、ゼーゼーやヒューヒューという音が聞こえます。この音が気管支喘息の時に出る音と同じため、この名前が付けられていますが、気管支喘息とは異なるものです。


<症状>

1.       鼻水、咳、発熱など風邪の症状があり、咳がひどくなります。痰が絡み、せき込むようになります。息を吐くときに出るゼーゼー、ヒューヒューが聞こえます。

2.       気管支が細くなっている場所により、音が違います。

@     太い気管支から出る音はゼーゼー:音が良く聞こえますが、呼吸困難になることは少ない。

A     細い気管支から出る音はヒューヒュー:聴診でしか聞こえないこともあり、呼吸困難が強くでる可能性があるので注意が必要です。

3.       ゼーゼー、ヒューヒューの区別は難しいので、このような音が聞こえた時は、早めに受診しましょう。


<喘息様気管支炎と気管支喘息の鑑別>

将来、気管支喘息になるか予測する明確な方法はないため経過をみるしかありません。

しかし、以下の時は気管支喘息に移行する可能性が高いと言えます。

@     3歳以上

A     頻回に、呼吸困難を繰り返す

B     吸入に良く反応する

C     アトピー性皮膚炎などのアトピー素因(アレルギー)がある 

D     家族や親族に気管支喘息の人がいる。


(参考)気管支喘息とは

気管支喘息は、気管支が刺激に対して過敏になり収縮し、空気の通り道が狭くなり笛のようにヒューヒューした音をたて呼吸困難となることがあります。長期間続くと、慢性的な炎症により更に気道が狭くなっていきます。治療も重要ですが、発作を予防することが更に重要です。多くはアトピー素因(アレルギー)を持っている場合に起こり、風邪をひいていなくとも起こします。


気管支喘息


<気管支喘息とは?>

1. ヒューヒュー、ゼーゼーと笛が鳴るような呼吸音(喘鳴)が特徴であり、喘鳴が発作性に生じ、呼吸困難などを繰り返す病気です。

2. 最近の研究では、気管支喘息は気管支の慢性の炎症と考えられ、非発作時にもこの炎症が続いていると考えられています。そのため気管支は常に過敏な状態(気道過敏性)にあり,発作の時には気管支の平滑筋が収縮して気道が狭くなり,さらに粘膜のむくみや痰の増加も加わって呼吸困難となります。


<どのような時に気管支喘息を疑うか?>

最初は喘鳴があまり聞かれず、気管支喘息だと気づきにくいことがあります。

@頻回に風邪をひく A風邪をひくと治るのに時間があかる B風邪もひいていないのに咳が夜間や明け方にひどい C運動をすると喘鳴や咳がでて苦しくなる。

以上のときは、気管支喘息を疑う必要もあります。


<気管支喘息は、いつ発症しますか?>

1. 小児の気管支喘息は<2歳までに約60%(発症年齢のピークは1〜2歳)、小学校入学前までに90%以上が発症します。

2. 小児の5%が気管支喘息で日本に約150万人の小児の喘息患者がいると言われています。


<小児の気管支喘息は直りますか?>

1.       大人になるまでに症状を起さなくなる寛解率は60〜70%程度で、成人まで持ち越す例が30%程度あります。成人まで持ち越す例は、小児期の気管支喘息の重症度と密接に関係しています(軽症者の寛解率は83%、中等症では70%、重症では32%)。いったん治ったと思った人でも成人になって再発をすることがあります。

2.       成人の気管支喘息の15%位は小児期に発症の気管支喘息です。


<原因、誘因は何ですか?>

1.  小児の気管支喘息の90%以上がアトピー型で、アレルギーを起す物質(アレルゲン)に対する特異的IgE抗体が血清中に存在します。このようなIgE抗体を作る体質を<アトピー体質と言い、遺伝します。残りがIgE抗体と関係のない非アトピー型です。

2.  アレルゲンで一番多いのは、家のほこり(ハウスダスト)で、その主な成分はダニです。

喘息発作の原因はアレルギーだけでなく、かぜ(RSウイルス、ヒト・メタニューモウイルス感染),たばこの煙、蚊取り線香、花火、空気汚染(二酸化窒素と二酸化硫黄),季節の変わり目(春、秋)、気象の変化<(台風、低気圧や寒冷前線などの接近時),ストレスなど、様々なものが発作の誘因となります。


<発作の程度とその対応>

発作の程度を知り対応することが重要です。

1. 軽い発作:喘鳴が少し聞こえるが、夜間も良く眠れ、普通の生活ができる。

           軽い陥没呼吸(肋骨の間の軽い陥没、肋骨の下がへこむ)

 (対応) 薬を持っている人は薬を服用し、増悪傾向がなければ様子を見ても良い。

薬を持っていない人は、病院を受診しましょう。

2. 中位の発作:喘鳴がはっきり聞こえ、良く眠れなく、食欲もなくなり、元気がなくなる。

       明らかな喘鳴と陥没呼吸を認める。

(対応) 薬を持っていても病院を受診しましょう。

3. 重い発作:日常生活、睡眠などがほとんどできない。 

著明な喘鳴と陥没呼吸を認め、他に以下の症状がある。

@肩を呼吸に合わせて上下する(肩呼吸)A鼻翼がぴくぴく動く(鼻翼呼吸)

B息をはく時にうめき声をあげる(呻吟)C横になれず、座り込んでしまう(起座呼吸)D唇が青白くなる(チアノーゼ) 

(対応) 入院が必要になることが多く、至急、病院を受診しましょう。


<治療の原則>

1. 気管支喘息の治療は,発作が起きてから抑える「発作時の治療」だけでなく、慢性の炎症を抑え発作を起こしにくくする「予防的治療」がより重要です。

2. 治療は、患児の気管支喘息の発作の程度、発作の頻度、年齢などにより異なります。


1) 発作時の治療: 発作時は早めに対処し、発作を止める

@気管支拡張剤(β刺激剤):ホクナリン、メプチン、ベネトリンなど

Aアミノフィリン・テオフィリン製剤:テオドール、ネオフィリン、など

Aは副作用の点から、最近は使用しない傾向にある。

2) 予防的治療:発作を予防することが発作時の治療より重要

気管支喘息の本態は、慢性の炎症ですので、放置すると気管支壁が、厚く、かたくなり、気道が閉塞したままもとに戻らなくなります。この慢性の炎症を抑えることが発作を予防することに重要です。発作をくり返し、その度に発作を止める治療だけでは気管支喘息は良くなりません。発作のない良い状態を長く維持(6ヶ月〜数年)していくことが必要です。

@ ロイコトリエン受容体拮抗薬:オノン、シングレア、キプレスなど

A 吸入ステロイド剤:パルミコート、フルタイドなど

B 抗アレルギー剤:インタール吸入など

<@     Bは発作時の治療薬としても使用します。


アトピー性皮膚炎

<アトピー性皮膚炎とは?>

アトピー性皮膚炎=痒みを伴う湿疹が慢性に経過する疾患で、多くはアトピー素因を持つ


アトピー素因とは:(1)家族歴、既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、あるいは複数の疾患)、または(2)IgE抗体を産生し易い素因のことです。


1.       痒みがある

2.       特徴的な湿疹(左右対称が原則)

1)  乳児

@     顔面皮膚または頭部皮膚を中心に赤くなり(紅斑)、湿潤したジクジクしたぶつぶつ(丘疹、漿液性丘疹)がある。耳切れが見られることが多い。

A     掻き傷がある。


2)  幼児・学童

@            頸部皮膚または腋窩、肘窩もしくは膝窩の皮膚を中心とした紅斑、丘疹または皮膚が厚く硬くなり(苔癬化)、硬いしこり(痒疹)がある。耳切れが見られることが多い。

A            体の皮膚が乾燥しザラザラしてくる。

B            掻き傷がある。


3.       慢性に経過する疾患

乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上継続するものをいいます。

★湿疹の出始めは、アトピー性皮膚炎の診断は難しく、乳児湿疹と鑑別できないこともあります。


<原因の検索>

1.       アレルギーの原因となるアレルゲンについては年齢により違いがあり、乳幼児では食物アレルゲン(牛乳、卵、大豆、そば、小麦粉)、それ以降では環境アレルゲン(ダニ、ハウスダスト、花粉、真菌など)が主に関係することが多いです。

2.       アレルゲン検査は、血液検査で可能です。しかし、血液検査は必ずしも症状と一致しないケースがあるので、これだけでは診断できません。

3.       乳幼児期は、身体、脳の発育に重要な時期です。皮膚だけに目をうばわれることなく、食事制限を行う場合は、栄養面でのバランスが失われないように、症状の程度を考慮し、常識的な食事制限を行うことが望ましいと考えます。 2〜3歳頃には良くなることが多いので、いつまでも食物除去を続けることは必要がないことがあります。


★最近、アトピー性皮膚炎はアレルギー反応だけでなく、皮膚のバリアー機能の障害が関与しているといわれています。

 

<アトピー性皮膚炎は治るか?>

一般的には、生後1〜6ヶ月から発症する児が多く、1〜6歳の乳幼児の10〜30%、成人では2%がアトピー性皮膚炎です。思春期になると90%は治ります。しかし、体質改善をしない限りアレルギー体質は治っていないのでアレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支喘息などのアレルギー症状が現れることがあります。ですから、アトピー性皮膚炎の治療のゴールは"治癒"ではなく"症状を抑えること"を目指すことになります。

<治療>

1.       スキンケア

(1)  汗や汚れは速やかにおとす

(2)  強くこすらない

(3)  刺激の弱い石鹸、シャンプーを使用し、十分にすすぐ

(4)  痒みを生じるほどの高い温度の湯を避ける

(5)  入浴後にほてりを感じるような沐浴剤、入浴剤を避ける

(6)  入浴後に適切な保湿剤を使用する。

 

★            保湿剤:保湿剤は皮膚に赤みがなくとも、使用すべきです。

(例) 白色ワセリン、ウレパール、ヒルドイド

★            爪を短く切り、掻かないようにする。


2.       ステロイド軟膏

ステロイドの軟膏はアトピーの皮膚症状を改善しますが、アトピー性皮膚炎そのものを治すのではなく、あくまでも対症療法です。

1)     ステロイドの軟膏には、色々の強さの軟膏があります(例)(弱い:キンダーベート、ロコイド、普通:リンデロンV, VG、プロパデルム、強い:マイザー、ネリゾナ)。十分な効果を発揮できる強さで、できるだけ弱いものを、短期間使用するのが原則です。そのため、十分な効果が認められた場合には、より弱い治療に変更し、逆に十分な効果が認められない場合には、より強い治療に変更します。良くなったら、非ステロイド軟膏、保湿剤などに変更します。

2)     ステロイド軟膏を顔面に使用する場合は、可能な限り弱いものを短期間(1日2回の外用は1週間程度)にとどめるようにします。

3)     ステロイド軟膏の副作用

副作用のほとんどは局所的なもので、医師の指示通りの薬を塗っている限り、全身的な副作用を起こすことは無いでしょう。

@       局所的な副作用はステロイド長期連用による皮膚の変化です。皮膚の毛細血管が拡張して赤く見えたり、皮膚が薄く萎縮したり、また色素沈着と呼ぶ黒ずんだ皮膚になることがあります。顔で、このような副作用が見られることが多いため、顔にはなるべく使用しないようにする。ステロイド軟膏を止めることにより、徐々に正常の皮膚に戻ります。

A       細菌や真菌の感染症の増悪

B       軟膏そのものによる接触性皮膚炎

 

<軟膏の塗り方>

軟膏を塗る時は、少量を使用し、湿疹部分にすりこまないで表面に軽く塗ります。塗る回数は1日に2〜3回で、朝、(昼食後)、お風呂上りに塗りましょう。


3.       抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬

必要に応じて、痒さを和らげるために、抗アレルギー薬(セルテクト、ザジテンなど)及び抗ヒスタミン薬(アタラックスPなど)の内服薬が使われます。ステロイド軟膏と比べればあくまでも補助的なものです。副作用としては、眠気、だるさなどです。

 

 

 

 


溶連菌感染症(猩紅熱)


<溶連菌感染症とは?>

潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間):2〜3日


感染性期間(人にうつす期間):無治療では一定しません。多くは治療開始後24時間で感染力が無くなりますが、健康な保菌者も多く存在します。


<症状>

発熱、咽頭痛、咽頭発赤、時に嘔吐を伴います。

発疹が全身に出現することがあります。これを「猩紅熱」といいます。2週間後に、手や指先の皮がむけてくることがありますが、心配ありません。発疹がでる溶連菌感染症が、重症というわけではありません。

咳、鼻水は、溶連菌感染症の症状ではありません。


<合併症>

急性糸球体腎炎(<1〜3週後)、リウマチ熱(1〜4週後)

 

<注意点>

1. 抗生物質をのんでから、多くは24時間以内に発熱はなくなります。24時間以上、熱が続く場合は受診してください。症状がなくなっても、合併症予防のため10日間、抗生物質をのむ必要があります。最近、抗生物質を5日間投与での有効性が報告されています。

2.発疹が出るようでしたら、薬疹の可能性もあるので受診してください。

3.同居の子供さんに予防的に抗生物質をのますべきではありません。症状がでたら病院を受診してください。

4.溶連菌感染症の咽頭炎は、抗生物質をのむと1日で良くなる恐ろしい病気ではありません。恐ろしいのは、合併症であるリウマチ熱です。それを予防するために症状がなくなっても抗生物質を10日間、のむ必要があります。リウマチ熱は現在非常に稀です。特に1〜2歳では、リウマチ熱の心配はいりません。

5.尿検査: 10日間薬を飲み終わってから約1週間後(診断後2〜3週間後)に、急性糸球体腎炎が起きてないか尿の検査をしておりますが、必ずしも必要ではありません。その場合、尿が赤くなるようでしたら、病院を受診して検査を受けましょう。

6.この病気に、何度もかかることがあります。

7.健康な4〜7歳の小児の5〜10%の喉に溶連菌が存在します。健康保菌者と言います。ですから、いつでもどこにでも溶連菌はいるので、いつでも感染する可能性があります。「はしか」、「水ぼうそう」などとは全く異なります。過剰に恐れないでください。


<登園、学校へは>

抗生剤治療開始後24時間を経て解熱して、全身状態がよければ登校可能。

長くても初診日と翌日の出席を停止にすればよい。


http://www.touei.or.jp/medknowledge_streptoinfec.htm

http://www.touei.or.jp/medknowledge_yourenkin.htm

http://www.touei.or.jp/nikkei_medical(2008Apr).pdf





麻疹 (はしか)


<麻疹とは?>

潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間):10〜12日

 

感染性期間(人にうつす期間):感染5日目(発熱出現5日前)〜発疹出現後4日。

 

<症状>

1. カタル期 (2〜4日): 高熱、咳、鼻汁、結膜充血、眼脂などがあります。2〜4日頃に注意してみると、頬粘膜に白いコプリック斑があります。コプリック斑が出る前は、気管支炎の症状のみで、麻疹の診断はできません。

★コプリック斑は麻疹の診断に重要な所見です。

2. 発疹期 (3〜4日): 少し下がった熱が再び高熱となり、特有の発疹が出現します。発疹は耳後部、頚部、顔、体幹、上肢、下肢の順に広がります。

3. 回復期 (7〜9日): 解熱し、発疹は消退し、色素沈着を残します。

 

<合併症>

肺炎、脳炎、中耳炎など  


<注意点>

 1. 発熱が1週間と長いので、脱水となり入院することがあります。水分は十分に与えましょう。

 2. 発熱が1週間以上続く時は、合併症が起きている可能性もあります。

 3. 発疹が出て2〜7日頃に、意識がはっきりしなくなり、痙攣を起こした時には、脳炎なども考えなければなりません。

 4. 結膜炎がひどい時は、点眼薬を使用しましょう。

 5. 咳は熱が下がってからも、1週間くらい続きますが、咳だけでは心配ありません。

 6. 昔、「麻疹の時は、熱を下げないほうが良い」と、言われてましたが、これは間違った考え方です。普通の熱と同様に対処してください。

 7. 麻疹の患者さんと接触した時、3日以内ならワクチン、5日以内ならガンマグロブリンで発症の予防、症状の軽減が得られることがありますので、医師にご相談ください。

 8. 免疫抑制剤(ステロイド)などをのんでいる患者さんが、麻疹の患者さんに接触した場合は、医師にご相談ください。

 

<登園、学校へは>

熱が下がってから、3日位経過すれば良いでしょう。


 


水痘 (水ぼうそう)


<水痘とは>

潜伏期間(感染から症状がでるまでの期間):10〜21日


感染性期間(人にうつす期間):発疹出現1日前〜出現後5日(痂皮形成まで)


<症状>

水疱の出現とほぼ同時に、5日間位の発熱を伴う場合や、熱の全くない場合があります。水疱は体の中央から出現し、手足の末端にすすみます。水疱は、黒いかさぶた(痂皮)になり治癒します。

 

<合併症>

脳炎、水疱の細菌感染、血小板減少など


<注意点>

1.     水疱は、治りかけに痒くなります。できるだけ、かかないように気をつけ、爪は短く切っておきましょう

2.     解熱剤はアスピリン(病院のバファリンはアスピリンです)以外のものを使用しましょう。

3.     水疱が出現して、48時間以内であれば、抗ウイルス薬で症状を軽くする可能性があります。

4.     軟膏(カチリ)は、痒みを抑えますが、病気を早く治す薬ではありませんので、必ずしも使用しなくてもかまいません。

5.     水疱は口の中にもできます。刺激の少ないもの(熱くない・うす味・あまりかまずによいものなど)を選んであげてください。

6.     熱がなければ、シャワーで皮膚を清潔に保ちましょう。なるべく、水疱をつぶしてしまわないように注意しましょう。入浴は、新しい水疱の出現がなく、黒くかさぶたになって、乾いてきたら入れて良いですが、かさぶたを無理にはがさないでください。

7.     水痘患者に接触後、3日以内ならワクチンで予防できる可能性があります。医師にご相談ください。

8.     免疫抑制剤(ステロイド)などを飲んでいる患者さんや免疫が低下している患者さんが、水痘の患者さんに接触した場合は、すぐ医師に相談しましょう。


<登園、学校へは>

水疱が全て乾いて、新しい水疱がでなくなったら、良いでしょう。1週間位。



ヘルペス性歯肉口内炎

<どんな病気か?>

単純ヘルペスウイルス(主として1型)に生まれて初めて感染した時に起こします。

生後9カ月〜3歳の乳幼児に多く見られます。

単純ヘルペスウイルスに感染した約10%の人がこの病気になります。

潜伏期間は、2日〜14日(約1週間)です。


<症状は?>

1. 急な高熱で発症し、2〜6日間続きます。

2. 発熱1〜2日の間に、咽頭に顆粒表面の白黄色の小水疱が出現します。(ヘルペス性咽頭炎)白色の膿栓が付着し滲出性扁桃腺炎を呈することがあります。大きな潰瘍になることもあります。頚部リンパ節の腫脹が見られることがあります。この時点で診断することが難しいことがあります。歯肉口内炎にならないで咽頭炎で終わることもあります。

3. 次第に、歯肉口内炎(歯肉が発赤・腫脹し、疼痛があり、出血することもあります)となります。(発熱して3日以上経過してからのことが多い。)「よだれ」が多くなります。

舌にも、潰瘍(アフタ)が生じることがあります。

口唇や口の周囲の皮膚に小水疱が現れることがあります。

口内炎が完全に良くなるのには10〜14日かかります。

<治療>

「水ぼうそう」同じ、抗ウイルス剤で、症状が軽くなり短期間で治癒さすことができるようになりました。水分を取れなくなった時は、点滴が必要になる場合があります。

<家庭で気をつけること>

脱水にならないように十分に水分をとるようにしましょう。

無理やり食事を与えないで、飲みやすい冷たいものを与えるようにしましょう。

熱いもの、堅いもの、辛いもの、しょっぱいもの、すっぱいものは痛みを強めますので、冷たいもの、柔らかいもの、甘いものなど(プリン、ゼリー、アイスクリーム、豆腐、ヨーグルトなど)、食べやすいものを与えてください。

歯みがきは、良くなるまで中止してください。

熱がなくなり、水分が十分取れるようになってから、保育園、幼稚園に行きましょう。




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